禁煙外来とは

禁煙外来のイメージ写真

喫煙には様々な健康への悪影響があることがわかっています。肺がんをはじめとした各種のがん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺炎などの呼吸器の病気、心臓や脳などの血管に関わる循環器の病気、糖尿病などの生活習慣病、さらには何らかの手術の後が治りにくかったり、不妊の原因にもなったりします。さらに喫煙者本人だけでなく、受動喫煙によって家族や周囲の人たちへの影響も少なくありません。

とは言っても、現在喫煙をされていて、やめたいと思っても、なかなか禁煙できない方が多く存在します。そんな方を対象としているのが禁煙外来です。禁煙ができない理由は大きくふたつあります。ひとつはニコチンへの依存、もうひとつは煙草への精神的依存です。

煙草に含まれるニコチンは、脳内のドーパミン作動神経のバランスを崩してしまいます。その結果、煙草を吸わないとドーパミンが低下して、イライラするようになってしまいます。この症状に対しては、禁煙補助薬による治療が有効です。禁煙外来で使用する補助薬にはニコチンを含まない飲み薬、ニコチンパッチがあります。

飲み薬はバレニクリン(商品名チャンピックス)というもので、脳のニコチン受容体に結合し、ニコチンが切れた状態によるイライラを抑制する効果があります。さらに煙草を吸ってニコチンが入ってもドーパミンの放出が抑制され、満足感が得られない状態になりますので、喫煙への欲求が低減します。使用に際しての禁忌や副作用の可能性もある薬ですので、医師の指示に従っての使用になります。また、ニコチンパッチは血中のニコチン濃度を低い状態で維持し、ニコチン切れの際のイライラを軽減するもので、その量を次第に減らしていき、最終的には使用しなくて済む状態を目指します。

禁煙外来では、以下の条件を満たすことで保険適用となります

  1. ニコチン依存症に関わるスクリーニングテスト(TDS:Tobacco Dependence Screener)で5点以上、ニコチン依存症と診断された方
  2. 35歳以上の場合、ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上の方
  3. 直ちに禁煙したいと考えている方
  4. 禁煙治療のための標準手続き所」に則った禁煙治療について説明を受け、当該治療を受けることを文書により同意した方

※健康保険を使った標準禁煙治療は、12週間で5回の通院によるプログラムで(2、3、4回目はオンライン診療でも可)、飲み薬を使った治療に関しては、保険適用は1年に1回となります。

ニコチン依存への治療と並行して、精神的な依存に関しては、医師や保健師が一人一人の患者さんと丁寧にお話をし、環境の改善や生活習慣の見直し、行動パターンの変容などへの取り組みをサポートしながら、禁煙の成功を一緒に目指していきます。少しでも禁煙をお考えの方は、一度ご相談ください。